フリーランスの経験は職歴になる?履歴書と職務経歴書の書き方を解説

フリーランスの経験は職歴になる?履歴書と職務経歴書の書き方を解説
フリーランスの読みもの編集部
執筆
フリーランスの読みもの編集部
記事の執筆・編集を担当
西村 裕介
監修
西村 裕介
ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)

会社を辞めてフリーランスになっても、エージェント登録や案件応募、正社員への転職、賃貸やローンの審査など、履歴書や職務経歴書の提出を求められる場面はあります。いざ書こうとすると、フリーランスの期間は職歴になるのか、開業から今までをどう一行で示せばいいのか、戸惑うかもしれません。この記事では、履歴書や職務経歴書が必要な場面の整理から、職歴欄の書き方、案件の実績化、自己PR、応募先ごとの書き分けまで、フリーランスの経験を自信を持って書けるように整理しています。

目次
  1. フリーランスに履歴書や職務経歴書は必要か
  2. 履歴書の職歴欄の書き方
  3. 職務経歴書の書き方
  4. 自己PRと志望動機の書き方
  5. 応募先で変える書き分け
  6. フリーランスの経験を実績として書こう

フリーランスに履歴書や職務経歴書は必要か

そもそもフリーランスの仕事は職歴として認めてもらえるのか、気になっている人は多いはずです。結論から言えば、自分で取って続けてきた仕事は立派な職歴になります。まずは、どんな場面で履歴書や職務経歴書を求められるのか、その二枚は何が違うのかから押さえましょう。

履歴書が必要になる場面

フリーランスでも、履歴書や職務経歴書の提出を求められる場面は少なくありません。エージェントへの登録、常駐や業務委託の案件への応募、正社員への転職、ときには賃貸契約やローンの審査でも必要になります。

会社員のときと違い、提出先は転職先の会社とは限りません。案件を紹介するエージェント、業務委託の発注先など、相手はさまざまです。提出先が変われば、見られる視点も重視される項目も変わってきます。だからこそ、誰に何のために出す書類かを意識することが、何を書くかを決める出発点です

履歴書と職務経歴書の違い

履歴書は経歴の概要を、職務経歴書はその中身を伝える書類です。何を担い、どんな成果を出したかは職務経歴書で詳しく示します。履歴書とは役割が違うので、二枚はセットで整えるのが基本です。

フリーランスの期間が職歴の空白に見えないか、気になることもあります。ただ実際は、個人事業主として事業を営んだ経歴であり、空白ではありません。会社を辞めて何もしていなかったわけではなく、自分で仕事を続けてきた職歴です。空白として伏せるより、二枚で正面から示すほうが伝わります。

西村 裕介
西村 裕介
ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)

案件と案件の間が少し空いた時期も、廃業していないなら一続きの個人事業主期間として扱えます。一日単位の正確さより、いつ始めて何を手がけてきたかが伝われば十分です。まずは開業の時期と主に手がけた仕事を時系列で書き出し、退職から今までが一本の経歴としてつながるかを確かめてみてください。

履歴書の職歴欄の書き方

会社を辞めてからの期間を、職歴欄にどう書けばいいか迷う人は多いでしょう。個人事業主と一行で済ませていいのか、何年も続けた仕事が空白扱いされないか、悩みどころは人それぞれです。開業から現在までをどう一本の経歴として見せるか、順に整理していきましょう。

開業と廃業の書き方

職歴欄には、会社員時代の退職に続けて、フリーランスを始めた時点を「開業」と書きます。その後やめたなら「廃業」と書き添え、退職から廃業までを一続きに見せるのがポイントです。こうすると、その間も自分で事業を営んでいた経歴として読み取れます。屋号があれば、開業の行に名前を添えるのも有効です。

正社員への転職などでフリーランスをやめた場合は、廃業した旨を書いて区切りを示します。いまもフリーランスを続けているなら、まだ廃業していないので、廃業の行は書きません。なお、ここでいう職歴欄はあくまで経歴を示す欄で、開業届や確定申告書の職業欄とは別物です。

現在に至るの扱い

フリーランスとして活動を続けているなら、職歴欄の最後は「現在に至る」で締めるのが基本です。開業の行に続けてこの一言があれば、ブランクではなく、いまも事業を続けている状態だと伝わります。

締めくくりには「以上」を右寄せで添え、記載がここで終わることを示します。日付は和暦か西暦のどちらかに統一しておきましょう。

西村 裕介
西村 裕介
ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)

もし開業日をいつにするか迷ったら、開業届の日付より、実際に仕事を始めて報酬を得た時期を基準にすると筋が通ります。職歴欄は税務書類ではないので、生活実態に合っていれば細かい日付のズレは問題になりません。書き終えたら、退職から今までの流れを、第三者の目で一度たどり直してみてください。

職務経歴書の書き方

案件はこなしてきたのに、いざ職務経歴書に書こうとすると、何をどう書けばいいか迷いがちです。担当業務を並べるだけでは、採用側にも発注側にも、力量は伝わりません。案件の書き方と、スキルの見せ方の2つに分けて、評価される書き方を見ていきます。

案件と実績の書き方

職務経歴書では、案件ごとに役割と業務内容、期間、そして成果までを一式で書きます。大事なのは、何をしたかだけでなく、その結果どうなったかまで踏み込むことです。そこまで書けて、はじめて実績として伝わります。

成果は、できる範囲で数字を添えると説得力が増します。売上をどれだけ伸ばしたか、作業時間をどれだけ減らせたか、といった具体的な数字です。守秘義務でクライアント名や中身を出せないときは、業種や事業規模をぼかして書けば差し支えありません。たとえば大手通販サイトの運営企業、のように特定されない形で十分です。数字がひとつ入るだけで、同じ案件でも伝わる説得力は大きく変わります

スキルの示し方

職務経歴書には、これまでの案件で使ってきたスキルを整理して載せましょう。何ができる人かが一目で伝わると、任せられる仕事を判断してもらいやすくなるためです。

エンジニアやデザイナーなどの職種では、扱える言語やツール、その習熟度を一覧にしたスキルシートを別に添えると有効です。スキルはただ並べるより、どの案件でどう使ったかと結びつけると、実際に使える力として伝わります。資格があれば、関連するものも一緒に挙げておきましょう。スキルそのものの伸ばし方はフリーランスに必要なスキルと案件が途切れない人の共通点で整理しています。ここまで見せられれば、相手が見るのは「何ができる人か」より「何を任せられる人か」です

西村 裕介
西村 裕介
ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)

数字は、社名や案件名を出せなくても、変化の幅だけなら書いて構いません。たとえば、問い合わせを1.5倍に増やせた、対応時間を半分に減らせた、と表せば、守秘を守ったまま成果が伝わります。直近の案件で、自分が関わる前と後で何がどれだけ動いたかを、一度書き出してみてください。

自己PRと志望動機の書き方

スキルや実績は書けても、自己PRや志望動機になると、何を書けばいいか迷う人も多く、手が止まりやすいところです。一人で動いてきた経験は組織で通用しないのでは、と不安になる人もいます。しかし、自分で考えて仕事を回してきた力こそ、組織で評価される強みです。

フリーランス経験を強みにする

フリーランスの経験は、組織の中でも通用する強みに置き換えられます。自分で案件を取ってきたことは営業力、条件をすり合わせてきたことは折衝力、複数案件を並行して回してきたことは進行管理そのものです。

どれも、誰かに指示されて動くのではなく、自分で考えて事業を回してきたからこそ身についた力です。自己PRでは強みを抽象的に並べず、実際の案件でどう発揮したかをエピソードで語ると効きます。指示を待たずに自分で回してきたという一点こそ、他の候補者にはない違いです。

志望動機の伝え方

志望動機で示したいのは、その案件や会社を選ぶ理由と、自分の経験がそこでどう役立つかの2点です。相手が求めることと自分にできることの重なりを、はっきり示しましょう。

フリーランスとして培った経験のうち、応募先で活かせる部分を選んで具体的に書きます。やってみたい気持ちだけでなく、その実績が相手の現場でどう貢献できるかまで踏み込めるかどうかです。誇張せず等身大で書く姿勢が、そのまま信頼につながります。相手の課題に自分の経験がどう効くかを示せたかどうかが、採用で選ばれるかどうかの境目です

西村 裕介
西村 裕介
ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)

採用側が知りたいのは、強みの名前ではなく、それをどの場面で使ったかです。営業力や調整力と並べるより、たとえば単価交渉で条件を引き上げた一場面に絞ると、説得力が変わります。苦労話まで書く必要はありません。自分の案件から、人に話せる場面を一つ、言葉にしてみてください。

応募先で変える書き分け

同じ経験でも、案件応募と正社員応募では、前に出す部分が変わります。スキルを押し出すか、人柄や定着の意思を見せるか、正解は応募先次第です。案件向けと正社員向け、それぞれの押さえどころをつかんでいきましょう。

案件やエージェントに応募する場合

案件やエージェントへの応募で見られるのは、即戦力として何ができるかです。スキルと実績を前面に出し、すぐ稼働できること、得意な分野、対応できる工程を具体的に示します。

ここでは職務経歴書とスキルシートが主役で、人柄よりも、何を任せられるかが判断の中心です。過去の案件のうち応募先に近いものを選んで詳しく書き、稼働できる時間や対応範囲まで明記しておくと、発注側も依頼を判断しやすくなります。どれだけ応募先に近い案件を具体的に出せるかが、即戦力と見てもらえるかの分かれ目です

正社員に応募する場合

正社員への応募では、スキルに加えて、腰を据えて働く意思や、組織で協調する姿勢も見られます。採用側が、フリーランスの人はまた独立してしまうのではと考える場合があるためです。

だからこそ、なぜいま正社員を選ぶのかを、志望動機で誠実に伝えることが大切です。フリーランスの経験を活かしてチームに貢献したいという姿勢を、具体的に示します。正社員に戻ることは後ろ向きな選択ではなく、働き方を選び直す前向きな判断です。転職活動の進め方や面接、やめるときの税金の手続きはフリーランスから正社員になるには(進め方と税金の手続き)で整理しています。採用側が抱く「またすぐ辞めるのでは」という不安に、働く意思で先回りして答えられるかがポイントです

西村 裕介
西村 裕介
ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)

案件用に作った職務経歴書を、正社員応募にそのまま使い回していませんか。即戦力アピールばかりだと、採用側はかえって身構えます。だからこそ、実績は保ちつつ、なぜ今チームで働きたいのかをより丁寧に書き足すと効果的です。応募先ごとに、相手がいちばん不安に思う点を一つ想像してから書き始めましょう。

フリーランスの経験を実績として書こう

書類づくりで迷ったら、次の5点に戻れば判断しやすくなります。

  • フリーランスの仕事も職歴になり、履歴書にも職務経歴書にも実績として書ける
  • 職歴欄は退職に続けて開業を書き、続けているなら現在に至るで締める
  • 職務経歴書は案件ごとに役割と成果を書き、数字を添えつつ守秘に配慮する
  • 自己PRは自走力や折衝力など、組織でも生きる強みに言い換える
  • 案件応募はスキルと実績を、正社員応募は定着の意思を前面に出す

フリーランスの経験は、隠すものではなく、実績として堂々と書けます。まずはこれまでの案件を時系列で棚卸しし、それぞれの役割と成果を書き出すところから始めましょう。そこまで揃えば、あとは応募先に合わせて一枚ずつ整えるだけです。履歴書も職務経歴書も組み立てやすくなり、自分の歩んできた道を自信を持って示せます。


※本記事の内容は2026年6月時点の情報にもとづいて執筆しています。応募先が求める書類の形式や様式は、エージェントや企業によって異なり、変更される場合があります。提出前に、応募先の指定する形式を確認してください。

西村 裕介
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西村 裕介
ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)
正社員として働きながら、コンサルティングやメディア事業を手がける法人を経営し、AFP認定ファイナンシャルプランナーとして個人でも活動中。副業フリーランスの立場から、独立や副業を考える人に役立つ情報を発信している。
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執筆
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公的データに基づく制度や数値の記載を徹底し、商品・サービスは編集部が本当に良いと判断したものを紹介。専門資格を持つ監修者と連携し、フリーランス・個人事業主の判断材料となる情報をわかりやすくお届けします。